会長挨拶
ご挨拶
拝啓
この度、第30回日本小児心筋疾患学会学術集会を開催させて頂くこととなりました。本学会は、1965年5月17日に第1回関東小児心筋疾患学会として発足しました。2011年に関西小児心筋症研究会と合同となり、第20回日本小児心筋疾患学会へと発展しました。このような歴史を持ち、これまで小児心筋疾患の理解と医療の発展に寄与してきた本学会も、今年第30回の節目を迎えます。
2010年に改正臓器移植法が施行され、小児にも心臓移植の道が開けました。小児心筋疾患を中心とした重症心不全に対する治療もこの10年で大きく進歩し、我が国でも補助人工心臓や心臓移植といった治療が現実的な選択肢となりました。九州大学病院も昨年小児心臓移植認定施設となりましたが、現在も患者さんから日々多くのことを学ばせて頂いています。そのような私達にとっても、全国の施設の経験を共有し議論できる本学術集会は、他の学会以上に現場に役立つ貴重な機会であると毎年感じております。
2019年11月に始まり、大きく世の中を変えてしまった新型コロナウイルスによる未曽有の事態は未だに収束の見通しが立ちません。このような状況の中、昨年10月に上田会長がハイブリッド形式で開かれた第29回学術集会は、現場の医療者や研究者にとって非常に有意義なものでした。本年も大切な意見交換の場として是非本学術集会の開催を行いたいと考え、鋭意準備を進めております。
現時点での「最善」の医療を患者さんに提供し、さらにそれを「改善」し続けることが、私達の使命であると考え、本学術集会のテーマを、「小児心不全道を極める―最善の実践と飽くなき向上―」とさせていただきました。本学術集会でもよりよい医療の求道者である皆様により多くの活発な議論がなされ、小児心筋疾患を持つこども達の明日の診療に役立つ機会となることを祈念いたしております。
謹白
2021年 4月吉日
- 第30回日本小児心筋疾患学会学術集会
- 会長 山村 健一郎
- (九州大学大学院医学研究院 周産期・小児医療学講座 講師)